3月12日(日)
また一つが終わっていく。
舞台が最後のシーンに進むにつれ客席では、
すすり泣く声がいつも以上に聞こえてくる。
終わって行く淋しさに逆に冷静だったのか入り込めずにいた私。
その時、大向こうから「中村屋!」の掛け声が
シンとした劇場に響き渡る。
妻夫木さんの姿の先に勘三郎さんを見ていたから
ドッと涙が溢れてとまらずながれた。
観客も役者と同じ出演者になり得る
歌舞伎の掛け声の文化を素晴らしいと思った。
良かったら声に出す。
現代演劇にも大向こうを育てて欲しい。
そして何度も何度もカーテンコールは繰り返され
最後はスタンディングで終わる。
野田さんも先に進むんだね。